神崎美柚の小説置き場。

新しいスマホにやっと慣れてきました……投稿頑張ります

2017-01-01から1年間の記事一覧

《歪な》運命 第14.5話「人形造り」side.ヘンリー

「師匠、お手紙です」「見せてくれ」「はい」 弟子のシェリルから手渡された手紙は上質な紙を使用していた。それも、魔力値が高い古代魔女が愛用していた紙だ。かなり高度な魔法を使用しても耐えれるようになっており、手紙を一瞬で届ける際に役立っていた。…

《歪な》運命 第14話「未解決事件」side.アキナ

未だに特定ができていない誘拐事件や殺人事件の犯人を機関に探してほしい、と王国治安維持部隊の隊長が直々にお願いしに来た。私は驚いた。 「まさか、魔女の仕業だと? 」「そんな、まさか! 捜査がこれ以上長引けば、貴族間での争いが激しくなる為仕方なく…

《歪な》運命 第13.5話「彼女という存在」

彼女が意識を切ったことを確認し、私は目覚める。 私が生前から愛していた殺人。それは、私が入っている体の持ち主である彼女が激昂したり、眠るなどして意識を切った際に行われる。そう、意識を切った後私が入るのだ。 「こんばんは」 宿屋を出た後、誰かに…

《歪な》運命 第13話「旅路」side.ユイ

夏期休暇を利用して私は国中を巡る旅に出ることにした。連続殺人事件の不安感から多くの貴族が別荘へと行っているというのもあり、私も外に出よう、と考えたのだ。本来ならいつものあの別荘に行くが、今年は何の気まぐれか両親が長いことそこに滞在するらし…

《歪な》運命 第12.5話「ウソとホント」side.ユイ

テストなんてくだらない、と私は思った。だけれども、受けなければ私のお父様の名誉は丸潰れだろう。そのこともあり、仕方ないから受けた。 それに、私は学年一位だ。学院に貢ぐお金も、成績も。 二日目が終わり、私は門限まで王国の図書館に入り浸ろうと考…

《歪な》運命 第12話「テスト──貴族クラスの場合」side.エリザ

私の父親は金の亡者だ。だからこそ、私はあまり好んではいない。しかし、幼い頃、病に倒れた母親はか弱かったけれども、私に寄り添ってくれていた。 今、目の前にいるマスターもそうだ。 「お嬢様にテストで目立つなと旦那様が忠告なされたのですか? 」「え…